ヴォツェック ウィーンオペラ

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ヴォツェック

 

作曲:アルバン・ベルク

 

あらすじ

 

第1幕

第1場:大尉の部屋、早朝

床屋上がりの兵士ヴォツェックが大尉の髭を剃っている。ベートーヴェンの「田園交響曲」そっくりなリズムが指導動機的に活用される。大尉はヴォツェックに「ゆっくりやれ」と命令し、結婚しないで女に子供を産ませたことを非難する。黙って聞いていたヴォツェックだが、「自分のような貧乏人は道徳的に子供を作れといわれたってできやしないんです」と食って掛かる。これに辟易した大尉は髭剃りを終えたヴォツェックに対し「落ち着いて、ゆっくりな」と言って帰す。

第2場:郊外の野原、夕方

ヴォツェックが仲間の兵士アンドレスと一緒に大尉の杖を作るために木を切り取っている。ヴォツェックは「ここは呪われている。足の下で何かが動き回っているのが聞こえないか?」とアンドレスに言い、この場から去ろうとすると太陽が沈み、辺りは真っ暗となる。 「火だ、地から天へ燃え上がり、天からラッパの響きが聞こえる。静かだ、全てが死んだようだ」と口走るヴォツェックをアンドレスが連れ去って行く。

第3場:マリーの部屋、夕方

マリーが子供をあやしていると、軍楽隊がやって来て先頭を歩く鼓手長がマリーに挨拶をする。これに親しそうに答えるマリーを見て、隣に住むマルグレートが嫌味を言う。これに腹を立てたマリーが窓を乱暴に閉め、子供に子守唄を歌い始めると窓を叩く音。マリーが窓を開けるとヴォツェックが立っており、「すべては灼熱の中に燃えた。すべてが真っ暗だ。そいつは町の入口まで俺の後を追ってきた」と訳のわからないことを口走る。落ち着かせようとマリーは子供を抱かせようとするが、ヴォツェックは子供を見ようともせず急いで立ち去る。

第4場:医者の書斎、午後

ヴォツェックは生活費の足しにしようと医者の生命実験体となっている。今週は咳をせず、豆しか食べてはいけないという指示を出している医者は、咳をしたところを見たと言ってヴォツェックを叱責し、来週は羊の肉しか食べてはいけないという指示を出すが、ヴォツェックは「太陽がまだ真昼に輝いている時に世界が燃えるようになって、恐ろしい声が俺に話しかけてきた!」などと言い始める。「局部性精神錯乱の第2種だ、はっきり出てきた」と自分の実験の成果が出てきたことを喜ぶ医者は「名声は不滅となる」と恍惚として叫ぶ。

第5場:マリーの家の前の通り、夕方

鼓手長を感心したように眺めていたマリーは「凄いわ!」と褒めながら近づく。鼓手長が「お前もいい女だ!鼓手長の訓練をしてやろう」と言ってマリーを抱く。はじめは拒むマリーだが、激しく抱く鼓手長に「どうでもいいわ、結局は同じなんだ」と言って、ふたりで家の中に入る。

 

第2幕

第1場:マリーの部屋、朝

マリーは子供を膝の上に乗せ、鼓手長にもらったイヤリングをつけ、鏡の欠片に映る自分の顔を見て「金持ちの奥さんたちと同じように自分の唇は赤いわ」と呟いている。そこに入って来たヴォツェックはイヤリングを見て「そこにしているのは何だ?」と訊くが、マリーは「拾った」と嘘をつく。納得できないヴォツェックだが、マリーに大尉、医者から貰った給料を渡して出ていく。マリーは自分が悪い女と責める。

第2場:町の通り、昼

急ぎ足の医者に「そう急ぎなさんな」と大尉が声をかける。「このところ急死する人が多いので忙しい」とその理由を話す医者は大尉に「4週間で脳卒中を起こす」と宣言する。これを聞いて大尉がショックを受けているところにヴォツェックが足早に通りかかるので、医者が呼び止める。落ち着きを取り戻した大尉はヴォツェックに「お前のうちの料理に男の髭が入っていなかったか?」と訊ね、マリーが鼓手長と良い仲になっていることを仄めかす。察しのついたヴォツェックは「神様、いっそ首を絞めてしまったら俺の気持ちも人に分かるだろう」と言って、足早に去っていく。

第3場:マリーの家の前、昼

マリーが戸口に立っていると、ヴォツェックが急ぎ足でやって来て、マリーをじっと見つめ「お前の唇は何て美しい」と言ってから、戸口の一角を指して激しく「そこだ!男はそこに立っていたのだ」と言い、「あばずれ女め」と手を振り上げる。しかしマリーが「私に触れないで」と叫ぶので、ゆっくり手を下ろすヴォツェック。マリーは「手でぶたれるより、ナイフで刺されたほうがましだわ」と言って家の中に入っていく。マリーをじっと見送ったヴォツェックは「ナイフのほうがましだと」と呟く。

第4場:酒場の庭、夜

楽隊がレントラー舞曲を演奏し、若者、娘、兵士たちが踊っている。入って来たヴォツェックはマリーが鼓手長と体を寄せながら踊っているのを見つけ、腹を立てる。そして二人のほうに向かおうとするが、その時踊りが終わるので座り込んでしまう。アンドレスに声をかけられるが、取り合おうとしないヴォツェック。そこに現れた愚者が「血の臭いがする」と言う。「目の前が赤くなる」と呟くヴォツェック。

第:兵営の衛兵室、夜

兵士たちが眠っている。だが眠れないヴォツェックはアンドレスに声をかけるが、相手にされない。そこに鼓手長が陽気に帰ってきて、「俺には女がある」と言い、その女がマリーであることを仄めかすので、ヴォツェックと取っ組み合いとなる。ヴォツェックはねじ伏せられるが、鼓手長は手を離して意気揚々と出ていく。「順々にひとりずつか」と呟くヴォツェック。

 

第3幕

第1場:マリーの部屋、夜

そばに子供を置いてマリーは机に向かって『聖書』を読んでいる。「ヨハネ福音書」第8章「姦通の女」のところを読んで神様に祈り、「ルカ福音書」第7章の「罪深い女を赦す」を読んで「私を憐れんでください」と、神様に祈るマリー。

第2場:池のほとりの小道、夕暮れ

マリーと連れ立ってヴォツェックがやって来て、腰を下ろす。「お前は善人か、貞節か?」とマリーを責め立て、「なんてかわいい唇をしているんだ」と言ってヴォツェックはキスする。昇ってきた月を見て「血塗られた剣のようだ」と言ってヴォツェックはナイフを抜き、マリーの喉を突く。「助けて」と叫ぶマリーだが間もなくして絶命する。怖気づき走り出すヴォツェック。

第3場:居酒屋、夜

ポルカ・シュネルにのって娼婦や若者たちが踊っている。ヴォツェックはマルグレートに「こっちに来て座れよ」と声をかけ、歌をうたわされる。「今日は暴れたいんだ」と言うヴォツェックの手や腕に血が付着しているのを気づくマルグレート。「怪我をしたんだ」とその場しのぎで言い訳をするヴォツェックに、周りに集まってきた娼婦や若者たちは「これは人間の血の匂いがする」と騒ぎ出す。その場から逃げ出すヴォツェック。

第4場:池のほとりの小道、月夜

池によろめくようにやって来たヴォツェックは、殺人がばれたらたいへんとナイフを捜し回り、マリーの死体に躓く。「どうしてお前は首に赤い紐を巻いているのだ」と言うが、すでに彼は理性を失っている。ヴォツェックはやっと見つけたナイフを池に投げ入れるが、「これでは近すぎて見つかってしまう」ともっと遠くに投げようと池に入り、そのまま溺れてしまう。通りかかった医者と大尉は池のほうで物音がするのに気づき「誰かが溺れているようだ」と言うが、すぐに静かになると気味悪がってその場から立ち去る。

第5場:マリーの家の前、朝

子供たちが遊んでいる。そこにやって来た子供が、木馬に乗って遊んでいるマリーの子供に「君のお母さん死んだよ」と言う。子供たちはマリーの死体が置いている池のほうに走り去る。

プログラムとキャスト

<スタッフ・キャスト>

 

指揮:Philippe Jordan

演出:Simon Stone

舞台:Bob Cousins

衣装:Alice Babidge Fauve Ryckebusch

照明:James Farncombe

 

ヴォツェック:Johannes Martin Kränzle

鼓手長:Sean Panikkar

大尉:Jörg Schneider

医者:Dmitry Belosselskiy

マリー:Sara Jakubiak

ウィーン国立歌劇場

 

RM Europa Ticketではウィーン国立歌劇場のチケットのご予約を承ります。

その他、ヨーロッパ内(パリ、ミュンヘン、ミラノその他)のオペラ、コンサートのチケットも確実のに手配いたします。

ご予約いただいたチケットはEチケットとなります。もしもEチケットが届かない場合は、メールでお知らせください。

又、ウィーンで開催されるクラシックコンサートは勿論、ご希望であればオペラ座近くのホテルやレストランのご予約も可能です。

連絡先

住所:Wohllebengasse 6/2,

1040, Wien

電話:+43 19688622

メール  : office@vienna-concert.com 

 

 

公共交通機関

地下鉄: U1、U2 、 U4
トラム: 1 、 2、D 、62 
バス: 59A
停車駅:カールスプラッツ/オペラ Karlsplatz/Oper
タクシースタンドが近くにあります。又、公演終了時にはタクシーが劇場前に待機しています。ホテルまでのお帰りがご心配な方にはタクシーのご利用をお勧めします。



歴史


ウィーン国立歌劇場はウィーン造形アカデミーの建築家アウグスト・シカート・フォン・ジッカルツブルクとエドゥアルト・ファン・デア・ニルが共作で設計し、1869年5月25日、当時の皇帝フランツ·ヨーゼフと皇后エリザベートの存在下で、モーツァルトの「ドン・ジョバンニ」により盛大にこけら落としが行われました。

 

フランツ·フォン·ディンゲルシュテット(劇場支配人・詩人)、ヨハン・ヘルベック(指揮者・作曲家)、フランツ・ヤウナー(演出家・劇場支配人)、ヴィルヘルム・ヤーン(指揮者)などの芸術的影響を受け、オペラ座の人気は益々高まっていきました。1897年に総監督となったグスタフ・マーラーは、古い上演システムを改新し、新しい舞台芸術を取り入れ、新世代歌手を積極的に起用するなどの第一次改革を行い、その後後継者たちにも引き継がれていきました。

又、マーラーはそれまでオペレッタを上演しなかったオペラ座にヨハン・シュトラウスの「こうもり」を正式なレパートリーとしました。

 

20世紀になると、総監督のリヒャルト・シュトラウスの「ナクソス島のアリアドネ」(1916年10月4日)や「影のない女」(1919年10月10日)の初演が行われます。

 

第二次世界大戦中、1938年から1945年年間はオペラ座暗い時代を迎えます。ナチスの下で多くの団員が追放・殺害され、様々な作品が上演禁止になりました。

1945年3月12日、連合軍の爆撃により舞台は破壊され、建物は火災に遭います。その後、ウィーン・フォルクスオーパーやアン・デア・テアーターウィーン劇場が仮の拠点となり、1955年11月5日カール・ベームによる「フィディオ」の上演で再開を果たします。

1956年に芸術監督に就任したヘルベルト・フォン・カラヤンはイタリア語やその他の外国語作品もドイツ語による上演を行ってきたそれまでの慣例を破り、原語上演の方針を導入し、これはその後ドイツその他の大劇場にも波及しました。

 

今日ウィーン国立歌劇場は、多大なレパートリーが故世界で最も重要なオペラ座の一つとみなされています。

 

2010年9月1日以来、音楽監督はフランツウェルザー=メスト、音楽総監督はドミニクマイヤー。

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