イオランタ
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あらすじ
時代:15世紀
場所:南フランスの山あい
第1場
王女イオランタは生まれつき目が見えなかった。彼女が王女であると本人に告げた者はいまだおらず、彼女自身もそのことを知らなかった。王の地所内部で閉ざされた美しい庭に住み、ベルトランとマルタの庇護のもと、世界から隔絶されて過ごしていた。付き人は彼女に花を届け、歌を歌う。イオランタは自らの悲しみと、皆が感じ取ることのできる大切なものを見逃してしまう自分のおぼつかない感覚を表現する。父のルネ王は彼女に彼女自身の盲目を悟られてはならない、さもなくば許嫁のロベルト公爵にこのことが知られてしまうと力説する。
第2場
王の到着を告げた後、アルメリクはベルトランより注意を促される。イオランタと光のことを話してはならず、彼女の父親が王であると明かしてはならないというのである。王とともに到着したエブン=ハキアは有名なムーア人医師であり、イオランタは回復可能であると述べる。しかし、自分の盲目を知ることを通じ、精神的に備えがなされたときにのみ肉体の治療が有効になるという。エブン=ハキアはモノローグ「2つの世界」を歌い、精神と物質を重ね合わせる神聖な定めのこの世界にあっては、心と身体が相互に依存するのだと説明する。イオランタが知らなかった世界を学んだ後になって万一治療が失敗した場合の不幸を案じ、王は治療を拒否する。
第3場
ロベルトが友人のヴォーデモン伯爵と宮殿に到着する。ロベルトはヴォーデモンに対し、マチルダ伯爵令嬢に恋心を抱いてしまったため結婚を避けることを希望していると伝える。彼はアリア「誰を私のマチルダに比べられよう」(Кто может сравниться с Матильдой моей)により愛を歌い上げる。ヴォーデモンはイオランタの秘密の庭の入口に気付いてしまい、侵入者は何人であっても死罪とするという警告を無視する。眠りの中にあるイオランタを目にした彼は、それが誰かもわからぬままたちまち恋に落ちる。ロベルトは友の行動に驚きつつも、彼女が彼を魅惑する魔女であると確信する。ロベルトは立ち去るよう促すが、ヴォーデモンは恍惚としてままならない。ロベルトは友人を救うべく、連隊を引き連れるために出ていく。イオランタが目覚め、ヴォーデモンは記念として赤いバラを授けてくれるよう彼女に頼むが、2度にわたって彼女が白いバラを渡したことからイオランタが盲目であることを知る。彼女には光や見える、見えないといった概念がない。ヴォーデモンが彼女に光と色について教え聞かせ、2人は惹かれ合う。
第4場
2人は王に見つかる。ヴォーデモンはイオランタの目が見えようが見えまいが関係のない自分の愛を誓う。自分が盲目であることをイオランタが知った今ならば治療が成功するかもしれないと、エブン=ハキアは王に告げる。イオランタは見たいという意志を持たないため、治療に同意してよいものか自信を持てない。エブン=ハキアは意志がないこと、内的な欲求がないのであれば、変化は訪れずに終わるだろうと指摘する。
ヴォーデモンが庭の入口にある警告文を目にしたことを認めると、激昂した王はイオランタに真実を明かしたかどで彼を処刑すると脅す。王はイオランタに対し、もし医者の施術でも視力の回復が叶わなかった場合はヴォーデモンは死ぬことになると伝える。これは彼女が意志を取り戻すのを願ってのことであった。慄いたイオランタは治療に同意する。エブン=ハキアがイオランタとともに出ていくと、王はイオランタを治療へ向かわせるべく一芝居打ったのだとヴォーデモンに説明する。ロベルトが連隊を引き連れて戻ってくる。彼は別の人物を愛していることを王に認めるものの、合意された婚姻を進める意思もまだ持ち合わせている。王は結婚の約束を破棄し、イオランタをヴォーデモンに託す。エブン=ハキアとイオランタが戻ってくる。治療は成功し、イオランタの目は見えるようになった。イオランタは新たな授かりものにはじめは戸惑うが、目にすることが叶った魔法のような新たな世界を歌にする。宮殿は喜びに包まれる。
合計 - 90 分
プログラムとキャスト
ルネ: イヴォ・スタンチェフ
ロバート: ボリス・ピンハソヴィチ
ヴォーデモン伯爵: ドミトロ・ポポフ
イブン・ハキア: アッティラ・モクス
アルメリク: ダニエル・イェンツ
ベルトラン: シモナス・ストラズダス
イオランタ: ソニア・ヨンチェヴァ
マルタ: モニカ・ボヒネック
ブリギッタ: マリア・ナザロヴァ
ローラ: ダリア・スシュコヴァ
音楽監督: トゥガン・ソヒエフ
演出: エフゲニー・ティトフ
舞台: ルーファス・ディドヴィシュス
衣装: アンネマリー・ウッズ
照明: マルティン・ゲブハルト
ウィーン国立歌劇場
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トラム: 1 、 2、D 、62
バス: 59A
停車駅:カールスプラッツ/オペラ Karlsplatz/Oper
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歴史
ウィーン国立歌劇場はウィーン造形アカデミーの建築家アウグスト・シカート・フォン・ジッカルツブルクとエドゥアルト・ファン・デア・ニルが共作で設計し、1869年5月25日、当時の皇帝フランツ·ヨーゼフと皇后エリザベートの存在下で、モーツァルトの「ドン・ジョバンニ」により盛大にこけら落としが行われました。
フランツ·フォン·ディンゲルシュテット(劇場支配人・詩人)、ヨハン・ヘルベック(指揮者・作曲家)、フランツ・ヤウナー(演出家・劇場支配人)、ヴィルヘルム・ヤーン(指揮者)などの芸術的影響を受け、オペラ座の人気は益々高まっていきました。1897年に総監督となったグスタフ・マーラーは、古い上演システムを改新し、新しい舞台芸術を取り入れ、新世代歌手を積極的に起用するなどの第一次改革を行い、その後後継者たちにも引き継がれていきました。
又、マーラーはそれまでオペレッタを上演しなかったオペラ座にヨハン・シュトラウスの「こうもり」を正式なレパートリーとしました。
20世紀になると、総監督のリヒャルト・シュトラウスの「ナクソス島のアリアドネ」(1916年10月4日)や「影のない女」(1919年10月10日)の初演が行われます。
第二次世界大戦中、1938年から1945年年間はオペラ座暗い時代を迎えます。ナチスの下で多くの団員が追放・殺害され、様々な作品が上演禁止になりました。
1945年3月12日、連合軍の爆撃により舞台は破壊され、建物は火災に遭います。その後、ウィーン・フォルクスオーパーやアン・デア・テアーターウィーン劇場が仮の拠点となり、1955年11月5日カール・ベームによる「フィディオ」の上演で再開を果たします。
1956年に芸術監督に就任したヘルベルト・フォン・カラヤンはイタリア語やその他の外国語作品もドイツ語による上演を行ってきたそれまでの慣例を破り、原語上演の方針を導入し、これはその後ドイツその他の大劇場にも波及しました。
今日ウィーン国立歌劇場は、多大なレパートリーが故世界で最も重要なオペラ座の一つとみなされています。
2010年9月1日以来、音楽監督はフランツウェルザー=メスト、音楽総監督はドミニクマイヤー。