スペードの女王

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JUN 2025

 

あらすじ

時代:18世紀末

場所:ロシア、サンクトペテルブルク

 

第1幕

第1場

エカチェリーナ2世が治める時代、子どもたちがサンクトペテルブルクの夏の庭園(英語版)で兵隊ごっこをして遊んでいる。2人の将校、スリンとチェカリンスキーが入ってくる。スリンは賭けでの不運を嘆いている。2人は別の将校の話を始める。その人物、ゲルマンは賭博台に夢中になっている様子であるものの自らは賭けようとはせず、質素ながら小奇麗な様子だという。トムスキーとともにゲルマンが姿を見せる。トムスキーは友の様子が以前とは似ても似つかぬようだと口にする。彼は何かに悩まされているのか。ゲルマンは自分の駐屯地の上に住む少女に心奪われてしまったのだが、その女性の名前すら知らないのだと告白する。将校のエレツキー公爵がぶらりと公園に姿を見せると、チェカリンスキーは最近決まった彼の婚約について祝いを述べる。エレツキーが自らの幸せを口にする一方、ゲルマンは羨ましげに彼を呪う。ちょうど老いた伯爵夫人とその孫にあたる1人の女性が通りかかるが、エレツキーはその女性、リーザを指して自分の婚約者であると紹介する。2人の女性はゲルマンの姿を見つけ、驚くほどに自分たちを凝視する彼を以前にも見たことがあることに気付く。ゲルマンはリーザが名も知らぬ片思いの相手であることを悟ったのである。エレツキーと2人の女性が立ち去ると考え込んでしまったゲルマンを尻目に、他の将校の面々は伯爵夫人について語り合う。スペードの女王として知られる彼女は、かつてはその美しさゆえにモスクワのビーナスの異名をとっていた。パリでサンジェルマン伯爵から情事の頼みと引き換えに勝利の方程式を手に入れた彼女は、若い頃に賭博で成功を収めたことがあった。トムスキーの言に依ると彼女の夫と、その後若い恋人の2人の男だけがその秘密を知ったのだという。なぜなら彼女の前に幽霊が現れて「3人目の要求者」が現れて力ずくで秘密を手に入れようとするから用心するように、と警告していたからであった。3枚のカードの勝利の並びについて考え、将校たちはその組み合わせがあればゲルマンの問題を解決できるのではないかとそれとなく口にする。雷鳴が近づき将校たちは立ち去るが、ひとり残ったゲルマンは伯爵夫人の秘密を手に入れることを誓う。

第2場

リーザは自宅で小さなピアノに向かい、友人のポリーナとともに田舎の夕暮れを題材に重唱をしている。居合わせた女友達がせがむので、ポリーナは悲しいバラードを歌い始め、舞踏風の歌がそれに続く。一同興に乗ってくるが、リーザはひとり物思いに沈んでいる。女家庭教師がはしたないフォークダンスに興じる少女たちをいさめ、友人たちへは家に帰るように言う。最後にその場を後にするポリーナはリーザに元気を出すよう促し、リーザはそれに応える。嵐が止むと美しい夜が広がり、彼女はメイドのマーシャにバルコニーへ通じるフレンチ窓を閉じないように頼む。ひとりになったリーザは婚約することになった不幸を口にする。彼女は公園にいる若い男性の魅力的な姿に心惹かれていたのである。彼女が驚いたことに、バルコニーにゲルマンが現れる。ゲルマンはあなたが他人と婚約したことで自分を銃で撃つところだったのだと訴えつつ、情けをかけて欲しいと彼女に請う。伯爵夫人がノックする音が聞こえ、リーザがゲルマンを隠してドアを開けると、夫人は窓を閉めて床に就くようにと告げる。伯爵夫人がその場を離れるとリーザはゲルマンに立ち去るように言うが、気持ちに抗いきれずに彼の抱擁を受け入れる。

 

第2幕

第1場

その後いくらもたたない頃、仮面舞踏会の席でゲルマンの仲間が彼が勝利のカードの秘密に取りつかれているようだと述べる。リーザを連れて通りすがったエレツキーは彼女の悲しみに気付き、彼女に自分の愛を伝えて安心させようとする。有名なアリア「貴女を愛しています」が歌われるのはこの場面である。ゲルマンはリーザからメモを受け取る。そこには後で会って欲しいと書かれている。スリンとチェカリンスキーが彼をからかうために背後から近づき、彼が伯爵夫人の秘密を知ることになる「3人目の要求者」であると囁いて群衆の中へ消えていく。ゲルマンは何を聞いたのだろうかと不思議に思う。舞踏会の主催者が女羊飼いの劇の開始を告げる。リーザはゲルマンの手に祖母の部屋の鍵を忍ばせ、祖母は明日部屋に戻ってこないと伝えるが、ゲルマンは深夜に訪ねると言ってきかない。自分が伯爵夫人の秘密を手にする運命なのだと考えつつ、ゲルマンはその場を後にする。出席者の注目は間もなく到着するというエカチェリーナ2世へと向けられており、到着に備えてオシプ・コズロフスキー(英語版)のポロネーズが演奏されて群衆が敬礼しながら歌っている。

第2場

伯爵夫人の部屋へ忍び込んだゲルマンはモスクワのビーナスの肖像に見惚れつつ、自分と彼女の運命がいかに交わっているかに想いを馳せている。一方がもう一方のために命を落とすのだから。リーザの部屋へ向かわずその場に長くとどまり過ぎたため、伯爵夫人の従者が来る音が聞こえてくる。夫人が近づくと彼は身を隠す。伯爵夫人は現在の日々を嘆き、彼女がヴェルサイユ宮殿でポンパドゥール夫人その人を前にアンドレ=エルネスト=モデスト・グレトリのオペラ『獅子心王リシャール』からアリア「Je crains de lui parler la nuit」(「夜に彼と話すのが怖い」(ロレットのアリア))を歌っていた若かりし善き時代の思い出を語る。夫人がうたた寝を始めるとゲルマンが彼女の眼前に立つ。目覚めた夫人は慄くが、ゲルマンは彼女の秘密を教えるように訴えかける。夫人が何も言えないでいるとゲルマンは窮余の策で銃を突き付けて脅す - すると夫人は恐怖のあまり絶命してしまう。リーザが駆け込んできて、自分が心を捧げた恋人には伯爵夫人の秘密の方が大事だったのだと知る。ゲルマンに出ていくように告げ、リーザは涙にむせぶ。

 

第3幕

第1場

冬の風が唸りをあげる兵舎の自室でゲルマンがリーザからの手紙に目を落としている。そこには真夜中に川の土手で会いたいと書かれていた。伯爵夫人の葬儀で歌われる合唱を聞く自分の姿を想像していたゲルマンであったが、窓をノックされて跳び上がる。そこに夫人の幽霊が現れて告げるには、ゲルマンがリーザと結婚し彼女を守れるようにするため、自らの意に反して彼に秘密を教えなければならないという。ゲルマンは告げられた秘密をそのままに、呆然と3つのカードの数字を繰りかえす - それは3、7、1であった。

第2場

冬の運河の傍でリーザがゲルマンを待っている。時は既に深夜となっており、彼女はまだ彼が自分を愛してくれているという一縷の望みにすがってはいるものの、彼女の若さと幸せが闇に呑まれる様子を目にする。ようやく現れたゲルマンは安心させるような言葉を投げかけたと思うと、伯爵夫人とその秘密について粗野に口走り始める。もはやリーザのことすら眼中にない彼は走り去ってしまう。全てを失ったことを悟り、リーザは自ら命を絶つ。

第3場

賭博場で、ゲルマンの同僚の将校たちが軽食を済ませてファロで勝負をしようとしている。エレツキーはこれまで賭け事をしたことがなかったが、婚約が敗れた今は場に加わっている。「愛では不運だったが、カードでは幸運だ。」トムスキーが歌で皆を盛り上げる。次いでチェカリンスキーが伝統的な賭博師の歌で先導する。ゲームのために席に着くと、興奮状態で取り乱した様子のゲルマンが現れて一同は驚く。衝突を察したエレツキーはトムスキーに対し、もし勝負になるのであれば補佐して欲しいと頼む。ゲルマンは賭けることしか頭になく、4万ルーブルという高額で賭けを開始する。3に賭けたゲルマンが勝利し、周囲は彼の狂気をはらんだ表情にたじろぐ。ゲルマンは続いて7に賭け、再び勝利を手にする。ここで彼はワイングラスを手に取り、人生はただのゲームだとうそぶく。エレツキーは次も彼の勝負を受けて立つことにする。ゲルマンは持てるものすべてを1に賭けるが、カードを見せると彼の手にあるのはスペードのクイーンだと周囲が言う。復讐を遂げた伯爵夫人の幽霊の哄笑を目にして、ゲルマンは自らの命を差し出してエレツキーとリーザの許しを請う。皆は彼の痛めつけられた魂に祈りを捧げる。

 

第 1 幕と第 2 幕 - 95 分
休憩 - 25 分
第 3 幕 - 80 分

プログラムとキャスト

ヘルマン: ユーシフ・エイヴァゾフ
トムスキーとプルート: アレクセイ・マルコフ
イェレツキ: ボリス・ピンハソヴィチ
伯爵夫人: エレナ・ザレンバ
リーザ: アンナ・ネトレプコ
ポリーナとダフニス: エレナ・マクシモワ

指揮: ティムール・ザンギエフ
演出: ヴェラ・ネミロワ
舞台: ヨハネス・ライアッカー
衣装: マリー・ルイーゼ・ストラント

フォトギャラリー
Pique Dame
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ウィーン国立歌劇場

 

RM Europa Ticketではウィーン国立歌劇場のチケットのご予約を承ります。

その他、ヨーロッパ内(パリ、ミュンヘン、ミラノその他)のオペラ、コンサートのチケットも確実のに手配いたします。

ご予約いただいたチケットはEチケットとなります。もしもEチケットが届かない場合は、メールでお知らせください。

又、ウィーンで開催されるクラシックコンサートは勿論、ご希望であればオペラ座近くのホテルやレストランのご予約も可能です。

連絡先

住所:Wohllebengasse 6/2,

1040, Wien

電話:+43 19688622

メール  : office@vienna-concert.com 

 

 

公共交通機関

地下鉄: U1、U2 、 U4
トラム: 1 、 2、D 、62 
バス: 59A
停車駅:カールスプラッツ/オペラ Karlsplatz/Oper
タクシースタンドが近くにあります。又、公演終了時にはタクシーが劇場前に待機しています。ホテルまでのお帰りがご心配な方にはタクシーのご利用をお勧めします。



歴史


ウィーン国立歌劇場はウィーン造形アカデミーの建築家アウグスト・シカート・フォン・ジッカルツブルクとエドゥアルト・ファン・デア・ニルが共作で設計し、1869年5月25日、当時の皇帝フランツ·ヨーゼフと皇后エリザベートの存在下で、モーツァルトの「ドン・ジョバンニ」により盛大にこけら落としが行われました。

 

フランツ·フォン·ディンゲルシュテット(劇場支配人・詩人)、ヨハン・ヘルベック(指揮者・作曲家)、フランツ・ヤウナー(演出家・劇場支配人)、ヴィルヘルム・ヤーン(指揮者)などの芸術的影響を受け、オペラ座の人気は益々高まっていきました。1897年に総監督となったグスタフ・マーラーは、古い上演システムを改新し、新しい舞台芸術を取り入れ、新世代歌手を積極的に起用するなどの第一次改革を行い、その後後継者たちにも引き継がれていきました。

又、マーラーはそれまでオペレッタを上演しなかったオペラ座にヨハン・シュトラウスの「こうもり」を正式なレパートリーとしました。

 

20世紀になると、総監督のリヒャルト・シュトラウスの「ナクソス島のアリアドネ」(1916年10月4日)や「影のない女」(1919年10月10日)の初演が行われます。

 

第二次世界大戦中、1938年から1945年年間はオペラ座暗い時代を迎えます。ナチスの下で多くの団員が追放・殺害され、様々な作品が上演禁止になりました。

1945年3月12日、連合軍の爆撃により舞台は破壊され、建物は火災に遭います。その後、ウィーン・フォルクスオーパーやアン・デア・テアーターウィーン劇場が仮の拠点となり、1955年11月5日カール・ベームによる「フィディオ」の上演で再開を果たします。

1956年に芸術監督に就任したヘルベルト・フォン・カラヤンはイタリア語やその他の外国語作品もドイツ語による上演を行ってきたそれまでの慣例を破り、原語上演の方針を導入し、これはその後ドイツその他の大劇場にも波及しました。

 

今日ウィーン国立歌劇場は、多大なレパートリーが故世界で最も重要なオペラ座の一つとみなされています。

 

2010年9月1日以来、音楽監督はフランツウェルザー=メスト、音楽総監督はドミニクマイヤー。

© Bwag/Commons
© Wiener Staatsoper
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