ニルス・ペッター・モルヴェル・トリオ

ノルウェー出身のトランペット奏者、作曲家、プロデューサーであるニルス・ペッター・モルヴェルは、ここ数十年でヨーロッパの即興音楽の姿を一変させました。

彼はトランペット奏者として独自のサウンドを築き上げただけでなく、映画、テレビ、ドキュメンタリー、舞台作品のサウンドトラックも手掛け、自身名義で9枚のアルバムをリリースしています。

デビュー作「Khmer」（ECM）は世界中で25万枚以上を売り上げ、1990年代の新しいヨーロッパ・ジャズの旗手としての地位を確立しました。以降、「Solid Ether」「NP3」「Streamer」「ER」「Re-Vision」「Hamada」などのアルバムをUniversal/Emarcyからリリースしました。

彼のカルテットでは、モルヴェル自身がトランペット、エレクトロニクス、エフェクトを担当。優れたリーダーとして知られ、常に最高のメンバーを選び、彼らに自由と構造の完璧なバランスを与えることで、個々の才能とプロジェクト全体のビジョンを引き出します。

2021年のアルバム「Stitches」では、ドラマーのアーランド・ダーレン、ベーシストのヨ・ベルガー・ミューレ、ギタリストのヨハン・リンドストロムと共演。

彼らはモルヴェルから完全な芸術的自由を与えられ、楽曲に独自の色を加えました。「Stitches」は、詩的な「Median」からドラマチックな「A Sudden Rash」、2021年のコンスベルグ・ジャズ・フェスティバルの委嘱作品「Frameworks」の3曲まで、多彩なムードを巡る感動的な音楽旅行です。

トランペットの繊細さを中心に据えながらも革新を続けるその音楽は、世界中のリスナーに愛されています。病や混乱を想起させる楽曲もありますが、「Stitches」は浄化と再生の旅であり、最後にRadioheadの「True Love Waits」の感動的なカバーで幕を閉じます。それは、困難の後に傷は癒えるという、希望に満ちた予言のようです。

プログラムとキャスト

ニルス・ペッター・モルヴェル：トランペット
ヨ・ベルガー・ミューレ：ベース
アーランド・ダーレン：ドラム